こんにちは、GOALOOKスタッフのしょーじです。
本日は、京都大学で創造の源泉である若手研究者の独創性・潜在力が発揮される環境づくりに取り組まれる仲野先生から Visual Thinking Strategy の授業をして頂きました。
Visual Thinking Strategy (以下VTS)というのは、NYの近代美術館で開発された美術鑑賞法で、作品を見て気づいたこと、想像したことを自由に語り合うことで“創造的思考力“、”観察力“、”コミュニケーション力“などを高められるんだそう。
参加者が、一つの絵画から読みとれる事実からの推論をベースに、それぞれの解釈を自由に発言することで、多様な視点が折り混ざり、徐々に全員の解釈が ”正確な曖昧さ”へと近づいていく、そんなプロセスを体験することが出来ました。
個人的にこの”正確な曖昧さ”という言葉がとても興味深いと感じました。
芸術作品に対する解釈に正解はないし、それぞれが多様な解釈を持っていい。
しかしながら自分の解釈を発言する、他者の解釈を聴く、という集団としての営みによって徐々に”正確な曖昧さ”へと近づいていく。しかしどこまでいっても曖昧さは残るものであり、完璧な正解は存在しない。
これはアカデミックの営みそのものであると思いました。
アカデミックの世界でも、ある事象や実験データに対して強烈な個性を持つ研究者たちによる多様な解釈がなされるが、それを議論する中で徐々に集団の認識として真理へと近づくことを目指します。
本授業でも、この切り口から現代のアカデミアが抱える問題に話が展開していきましたが、その様子はまた後日報告します。
それではまた。